食べ物を提供する飲食店にとって、お店で食中毒を発生させないことは大きな課題です。まずは食中毒が発生している状況を正しく知りましょう。
施設別にみてみると、飲食店での食中毒発生が半数以上、事件数でみると6割を超えています。事件数と患者数での違いは、仕出屋や旅館など1回あたりの料理提供数が多いためだと考えられます。
(平成26年 食中毒発生状況 厚生労働省 より)
月別に食中毒の発生状況をみてみると1月が最も多く、3月・12月と続いています(事件数)。
(平成26年 食中毒発生状況 厚生労働省 より)
気温の高い夏場に発生しやすそうなイメージの食中毒ですが、12月~3月の冬場に発生が多い理由は『ノロウイルス』です。ノロウイルスは11月頃から流行が始まり、春先の3月頃まで続くことが関係しています。
病因物質別にみても、ノロウイルスは食中毒患者数の半数以上を占めています。
加熱不足の卵や肉などでかかりやすいサルモネラ菌・刺身や寿司など生の魚介類でかかりやすい腸炎ビブリオなどの細菌よりも、ノロウイルスの患者数が約1.5倍も多いのは、感染力が非常に強くしぶとい性質をもつノロウイルスの特徴を表しています。
(平成26年 食中毒発生状況 厚生労働省 より)
人の口に入る食事を提供する飲食店にとって、食中毒は無視できない問題です。正しい情報をもって、きちんと予防・対策することが大切ですね。