毎年11月頃から患者数が増え、春頃まで流行が続く「ノロウィルス」
もし飲食店でノロウィルスの集団感染を起こしてしまったら―
保健所の調査が入り数日間の営業停止処分が課せられるだけでなく、「あのお店の衛生管理は大丈夫なのか?」と事実に関係なく噂が流れ風評被害を受けてしまうかもしれません。そうなると、飲食店の営業が難しくなり経営が傾いてしまう可能性もあります。
最悪の状況を未然に防ぐためには、まずノロウィルスの正しい知識を持って予防措置をとることが必要です。
以前と比べると一般的に知られるようになったノロウィルスですが、まだ誤った知識のまま予防・対策をされている方も多いのが実際です。
そこで今回は、よく誤解されているノロウィルスの知識についてまとめました。
最近は認知も増えてきましたが、ノロウィルスにアルコール消毒は効きません。
ノロウィルスはノンエンベロープウィルス(エンベロープという脂質性の膜がないウィルス)のため、ダメージを受けにくいことが特徴です。
ノロウィルスはノンエンベロープウィルスというエンベロープ(脂質性の膜)を持たないウィルスでダメージを受けにくい特徴があるため、アルコール消毒や熱に対する抵抗力が高いといわれています。
厚生労働省の推奨するノロウィルスに有効な消毒方法は、以下の2つです。
■次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)による消毒
■加熱(85℃で1分間以上)による殺菌処理
また風邪やインフルエンザと同様、石鹸と流水による手洗いはノロウィルスにも有効です。
ノロウィルスも1種類ではありません。様々な遺伝子型があります。一度ノロウィルスに感染しても、別の遺伝子型のノロウィルスに感染する可能性は十分にあります。
またノロウィルスは免疫の持続時間が短いといわれており、同じ遺伝子型であっても再度感染する可能性もあります。
ノロウィルスは生牡蠣を食べて感染することが多いため、こちらもよく誤解されていますが、感染経路は生牡蠣だけではありません。ノロウィルスは食べ物から人へ、人から人へ、と感染力が強く感染経路は様々です。
例えば飲食店では、ウィルスを持った人が調理することで食材へ菌が移り、その料理を食べたお客様がノロウィルスを発症する可能性があります。また飲食店は多くの人が出入りするため、お客様・業者さん・店舗スタッフなど人が接触することで人から人へ感染・発症する可能性もあります。
カテゴリー : 衛生・清掃