一般的に、飲食店で売上を伸ばすためには
・お客様(新規/既存)の来店数
・一人(一組)あたりの客単価
・回転率
これら3つを伸ばすことが重要だといわれます。 その中で、今回は「回転率」を取り上げます。
回転率を上げればたくさんのお客様に来店いただくことができ、その分たくさんの売上があがります。
さらに、お客様が何回転しても固定費は一度しかかかりません。つまり、回転率を上げればあげるほど売上に占める固定費の割合を 減らすことができ、利益率を伸ばすことができるのです。
*下のグラフはわかりやすくするために大まかな項目のみを記しています。
<1回転目の売上内訳>
<2回転目以降の売上内訳>
お店でお客様が1回転したときに得られる売上を10万円、原価55%・固定費35%とします。
仮に1回転目で固定費をすべて償却できると考えると、
<1回転目>
売上:10万円
原価:5万5千円
固定費:3万5千円
→利益:1万円 (利益率10%)
<2回転目以降>
売上:10万円
原価:5万5千円
固定費:0円
→利益:4万5千円 (利益率45%)
<1回転を10日間続けた場合の売上・利益>
<10回転を1日だけした場合の売上・利益>
上の図はお客様1回転を10日間続けた飲食店と、お客様10回転を1日間続けた飲食店の売上・固定費・利益を表したものです。利益の差は一目瞭然。売上は同じでも、1日1回転のために10日間お店をあけてしっかり働くよりもいても、9日間お店を休んで残りの1日でお客様を10回転させるほうが多くの利益を得られます。
極端な例ですが、これが回転率を上げる本当の意味です。
一般的に回転率は来店されたお客様の数÷客席数で算出することができます。
ここで見落とされがちですが、客席数とは椅子の数(座れる人数)で考えていますか?テーブルの数で考えていますか?
4人掛けのテーブルに4名のお客様が着席されたのか、1名のお客様が着席されたかによって売上の金額は異なります。回転数が増えるとその差は大きな金額になります。相席などをしていただかない限り、着席するお客様の人数が違っても各テーブルが稼働したことに違いはありません。
客席数で考える回転率・・・来客数÷椅子の数
テーブル数で考える回転率・・・テーブルを使った回数÷テーブル数
2種類を区別するため「客席回転率」「テーブル回転率」と使い分けられる場合があります。
これらの回転率を把握・分析すれば「2人掛けテーブルを増やそう」「1名でも入りやすいレイアウトに見直そう」など飲食店の売上を伸ばすための新たな工夫ができるようになります。どちらの回転率も大切な指標にかわりありませんが、2つの異なる考え方を混同してしまわないよう気を付けてくださいね。
*客席稼働率とあわせて考える方法もありますが、今回は割愛します。
*店舗の業態や規模、ランチタイム・ディナータイムが分かれているかどうか、などお店にとって回転率の取り方・指標としての重要性は異なります。