飲食店にとって、来店していただいたお客様には食だけでなくお店の雰囲気も味わっていただきたいものです。しかし、どんなにお店の掃除が行き届いて清潔感があったとしても、お客様と接するスタッフの身だしなみが不潔であれば途端にイメージが悪くなってしまいます。
服装や身だしなみについてのルールや取り決めはお店ごとに違いますが、基本は同じです。
では、どのような『身だしなみ』であればお客様から好感を持っていただけるのでしょうか?
「メラビアンの法則」という言葉を聞いたことはありますか?
人と対面したとき、その人の第一印象は3秒で決まると言われており、その要素となるのが「視覚情報(見た目)」「聴覚情報(声)」「言語情報(話す内容)」の3要素です。
その3要素の中でも「視覚情報」は全体の55%と最も高く、次いで聴覚情報が38%と、なんと第一印象はほぼこの2つで決まってしまうという結果が出ています。
「視覚情報」では、主に服装・身だしなみ・表情・姿勢・態度が判断材料となり、聴覚情報では挨拶・声の大きさ・言葉づかいなどが挙げられます。
では、上記の法則を飲食店のお客様に当てはめてみましょう。
初めてお店を利用するお客様は、最初に「いらっしゃいませ」と出迎えるスタッフを見てまずどんなお店なのか評価する傾向にあります。
スタッフがどれだけ丁寧な接客を心掛けたとしても、身だしなみがきちんとしていなければお客様は多少なりとも不快感を覚えてしまいますし、逆を言えば、新人スタッフが緊張してしまっていたり、うまく話せなかったとしても、視覚・聴覚情報で十分カバーできるということになります。
そして、その第一印象は後の売上やリピーターになるかどうかの判断にも大きく影響してしまうのです。それだけスタッフの身だしなみは重要であり、店長は接客スキル・調理技術よりまずココがいかに重要であるかをスタッフに伝える必要があるのです。
では、どのような身だしなみであればお客様の印象をよくすることができるのでしょうか?
前述した通り、服装や身だしなみについてのルールや取り決めはお店ごとに違いますのですべての飲食店に合致する内容はお伝えできませんが、『これだけはやったほうがいい!』という基本の身だしなみをご紹介します。
①頭 髪 |
男女とも清潔感のある髪型であることが絶対条件です。
髪が長ければ後ろで括ったりお団子にしましょう。髪の毛には様々な細菌が付着しているので接客中は触らないよう徹底させてください。お辞儀をしたときに髪が顔にかかるかどうか、それを直すのに髪を触る必要があるかどうかが判断基準となります。
②顔周り・爪 |
爪は細菌がたまりやすい場所です。短く清潔にしましょう。飲食店の基準は手のひらから見たときに爪が指の先から見えない程度です。また、爪の間が汚れなどで黒くなっている場合はしっかり汚れを落としてから仕事を始めてください。
無精ひげは、基本的には飲食関連の接客業には不向きとされています。毎日剃りましょう。
口臭・体臭も不快に感じる方が多いのでしっかり対策を取りましょう。
③アクセサリー |
指輪や腕時計は就業前に外すよう指導してください。指輪・腕時計と皮膚の間はしっかり洗浄ができないため菌の温床になりやすく、二次汚染の原因となるためです。
ピアスも料理に混入する恐れがあるので基本的には外したほうが良いですが、最近は透明のピアスであればOKというお店もあるようです。
④制 服・服 装 |
清潔を保つことを心掛けてください。
制服はこまめに洗濯をする、汚れが取れなかったり着古してしまったものは着用せずに新しい制服と交換する。襟元や袖口の汚れも目立ちますのでしっかり洗って汚れを落としてください。
⑤靴・靴 下 |
制服は清潔だけど靴はボロボロで残念なスタッフをよく見かけます。本人は気にしていなくてもお客様は意外とよく見ているものです。
極端に汚れていたりボロボロになっていないか、かかとを踏んでいないかチェックしましょう。
接客の際座敷に上がらなければならない場合は、穴が開いていない・汚れが目立たない清潔感のある靴下を履くよう指導してください。
飲食店を経営する上で、スタッフの服装と身だしなみを整えるよう指導することも店長の仕事の一つです。スタッフの身だしなみに清潔感がないとお店の印象が悪くなってしまいます。
お客様に好感をもってもらえるように、スタッフの服装と身だしなみを徹底させましょう。