今冬もすでに多数発生している飲食店での食中毒。
厚生労働省の発表によると、2015年11月~2016年1月までに飲食店で発生した食中毒は、事件数97件・患者数2,087人にのぼるそうです。(厚生労働省:平成28年食中毒発生事例速報より)
まさか自分の店舗で食中毒が発生するなんて、と考えられているオーナーさん・店長さんはいらっしゃいませんよね?しっかり予防・対策を取っていても完全な防止は難しく、いつ発生してもおかしくない飲食店での食中毒。
今回は改めて知っておきたい飲食店で食中毒が発生した場合の影響と対応をお話します。
まず飲食店で食中毒が発生したかもしれない!?それに気付く・分かる方法はいくつかあります。
・お客様から直接お店へ食中毒の可能性を訴えられた場合
・お客様が保健所へ食中毒の可能性を訴えられた場合
・食中毒と思われるお客様を診た医師から保健所へ報告があった場合
その後、食品衛生法上の規定により届出→調査・事実確認→行政処分や訴訟問題へと流れていきます。
店内で食中毒発生の疑いがある場合、まずは目の前のお客様(食中毒患者)の介抱が第一です。症状にもよりますが、まずは病院で診てもらいましょう。その後、最寄りの保健所へ報告を行います。
保健所への届出をためらい被害者と直接解決されようとする飲食店もあるようですが、原因追及・根本的な解決のためにも保健所へ連絡し調査をしてもらいましょう。保健所による調査は原因菌を調べるだけでなく、本当にその飲食店が発生源なのかの事実確認でもあります。お店側は、拭き取り調査や検便などにきちんと協力しましょう。
*病院で診察した医師から保健所へ報告がされる場合も。詳しくは次項
食中毒が発生した場合(可能性も含む)、食品衛生法第58条により次のように報告・届出の義務が定められています。
・食中毒患者を診察、もしくは患者死亡の場合は死体を検視した医師は、直ちに最寄りの保健所長へ届け出なければならない
・報告を受けた保健所長は発生が認められる場合、速やかに都道府県知事へ報告し、調査しなければならない
・報告を受けた都道府県知事は厚生労働省の定める人数以上の発生や発生の恐れがある場合、直ちに厚生労働大臣へ報告しなければならない
つまり発生の状況にあわせて、医師→保健所長→都道府県知事→厚生労働大臣の順に速やかに飲食店で食中毒発生(可能性も含む)を報告・届け出なければいけないと決められています。