上の写真、カフェやレストランなど飲食店でよくみる光景ですね。
何かと物の多い厨房でうまく空間を使って調理器具を収納できていますし、重ね置き・直置きするより取り出しやすく使いやすい。衛生的にも良いですね。
またお客様から見えてもオシャレな空間で、お店の雰囲気づくりにも一役買ってくれそうです。
けれど、ここにはたくさんの改善の余地が隠されています。今回はそのなかで「お客様の満足度向上」「スタッフのレベル標準化」「経費削減」の3つが叶う改善をご紹介します。
空間があるから、オシャレだから、と調理器具をなんでもかんでも掛けていませんか?
お客様の満足度アップを目指すなら、使い勝手・使いやすさを考えた場所に置くことが大切です。
図はあるレストランの厨房です。コンロのある位置(A)を中心に調理する場合、フライパンやお玉がそれぞれまとめて置かれている(B・C)と作業効率が悪くなります。
フライパンや鍋、お玉やトングなど同じ種類の調理器具でまとめておくのも良いですが、「この鍋とこのお玉は一緒に使う」など同時に使うものを一箇所にまとめておくと作業の効率が良くなります。
また調理中の移動をできるだけ短くした近くに置き場所があると調理スピードが速くなります。
つまり、調理中に移動する動線を短く、同時に使うものが一緒に置いてあると作業効率があがり調理スピードが速くなります。結果、お客様へ料理提供するまでにお待たせする時間を短くでき、満足度が向上します。
調理手順や作業方法などのマニュアルはあっても、それをスタッフ全員に浸透させ、なおかつ同じレベルで作業できるようにすることは、なかなか難しいものです。
何度も繰り返し伝えても、マニュアル用紙を貼りだしても難しければ、スタッフが自然と実践できる形を作ってはどうでしょうか?
例えば空間に無造作に並べられた調理器具ですが、これを使う順番・一緒に使うものなどカテゴリーでくくって並び順を変更してみてください。すると料理をつくる手順を間違わず、スタッフみんなが同じように調理できるようになります。
調味料と計量カップなども同じように並び順・置く場所を工夫することで、より間違いが少なくなります。
つまり、作業する動きに合わせてものを設置することで、スタッフみんなが間違わずに同じレベルで調理できるようになり、スタッフのレベルを標準化を実現できます。
厨房にたくさんある調理器具。
ずっと同じ場所に置かれ、使われていないものはありませんか?
それ、お店にとってムダな経費です。
使用しない調理器具や食材・調味料などは、飲食店において不必要な経費がかかっています。
購入したときにかかる経費はもちろん、それを置いておくことによりかかる経費もあることを知ってください。例えば、維持管理にかかる経費。いざ使おうとすると古くなっていてメンテナンスしないと使えない修繕費。本来であれば他に活用できる場所・空間の損失など。
つまり、飲食店にある「いまは使っていない」「いつか使うだろう」というものには無駄な経費がかかっています。不必要なものは手放すことで経費削減ができます。
<記事協力> 整理収納アドバイザー 岡田 直也 飲食店の店長として・お店の外からサポートする側として様々な立場から飲食店をみてきた経験と、整理収納アドバイザー1級資格の知識を活かし、サービス改善・経費削減につながる飲食店での整理収納を提案している。 |